新兵衛の覚え書き

見た聞いた読んだ浮かんだ思い出した……を書き留めています。

女系天皇と女性天皇の違い

「これでスッキリしました」なんて投稿を見掛けるので、違いが解らない人がまだまだ居るという事だと思います。

男系天皇・男性天皇女系天皇女性天皇…と言われると、解らない人は尚更解らなくなる様です。
男系を帯で支えて来た、なんぞと言われたら余計解らなくなるのは当たり前ですね。
帯で…と言われて「解りやすい表現ですね」と思う 人は、解っているからこそ解りやすいだけ。
継承の伝統を解らない人には何を言ってるか解らないので、いきなり言って「なんで解らないの?」みたいな事言ったり表情をしたりしない方が良いです。

あそこの家は女系だ、とか女系家族だとか言うのはたまに聞く事があると思います。
一般で言うところの女系の家とは、代々女ばかりが生まれる家の事。夫は代々婿養子という家。
たまたま男が生まれて家を継いだら、その時点でその家は女系とは言わなくなります。
一般だとそれで良いのです、母からだろうが先祖からの血が繋がっていれば良いのですから。
家さえ継いでくれるなら、血が繋がっていなくても良いというのさえありますから、天皇の継承の伝統を解らない人がこんがらがるのも当たり前です。
学校で習うわけでもありませんし、そんな会話をする家庭だってほとんど無いでしょう。
世間話で、どこどこの家はアレだとかコレだとかの話をする事はあるでしょうから、伝統についても一般の家の感覚で捉えるわけです。
家を継ぐ継がないは子の自由というのが当たり前になって来ているので、家を繋げるという事に価値を持たない人は、「どうでも良いでしょ、そんなの」と思ってるでしょうから、解らない事をわざわざ解ろうとする気は起こさず、男女平等の時代に男系などと言ってる連中は頭がおかしい、と思っているでしょう。
世界で(共産主義者は別にして)は、「王朝が変わらず、男系を2000年以上も続けてるの?スッゲー」と結構言われます。
人って、長く続いているものに誇りを持つ傾向がありますので、実生活に悪い影響を与えるものでなければ護ろうとします。
他所の、長く続いているものには敬意を払う傾向があります。
なのに、その時の感情で続いて来たものを絶とうとしているのが、女系天皇の要望であり、女性宮家創設の要望なんです。

天皇の継承者は男系で2代から126代まで変わる事なく続いています。
皆様、父親の血筋を男のみで辿って行くと初代神武天皇に行きつきます。これを、126代2000年以上途切れる事なく男系で繋いで来た、という言い方をします。
女性であっても、男系であれば天皇位につく事はできます。
愛子内親王殿下の父は今上天皇ですし、父の血筋を男のみで辿って行けば神武天皇に行きつくので、愛子内親王殿下は男系の女性として天皇位につく事ができます。『男系の女性天皇』ですので問題はありません。
単に「女性天皇」とだけ言うからわけが解らなくなるのでしょうね。

では、女系天皇とはどういう天皇を言うのでしょう。
女系天皇というのは先例がありません。存在した事が無いので、仮定で説明します。
女性皇族が民間人男性と結婚しても、皇族のままだったとします。で、子を産んだとします。産まれた子は女系になります。男児であろうが女児であろうが。
何故かと言えば、父親の血筋を男で辿っても神武天皇に行きつかないからです。
じゃあ、愛子内親王殿下が旧皇族で男系の男子と結婚すれば、子を産んでその子が愛子様から天皇位を継いでもOKだよね、神武天皇に行きつくんだからと思いますよね、普通。
女性である皇極天皇の子である天智天皇天皇位につく前に産まれていますし、同じく女性の元明天皇の娘である元正天皇も、元明天皇天皇位につく前に産まれていまして、女性が天皇位についた後(譲位後含む)に産まれた子で天皇位についた方は居ません。
というより、女性が天皇位についた後で産まれた子は居ないはずです。
女性が天皇位につく場合は、皆様未亡人か独身でありました。そして、天皇位についたらその後は、結婚も再婚もしません。
天皇位についた後に産まれた子は、父親が男系男子でも女系として扱われるのでしょうか。先例がありませんから分かりませんが。
誰だったか、それは女系になりますと言ってた様に思います。何故なのかは私には解りませんが、特別な線引きがあるのでしょう。

特別な線引きのケースは別にして、女性天皇女系天皇が違うのはハッキリしてるのに、何故に理解が広まらないのでしょうね。