新兵衛の覚え書き

見た聞いた読んだ浮かんだ思い出した……を書き留めています。

カザフスタンの高速道路

カザフスタンには、中国が計画して中国企業が造った高速道路があります。
労働者までが中国人である為、高速道路建設に費やした費用は、カザフスタン内にはあまり流れないから、景気への影響は微々たるもの。
カザフスタン人が大量に雇われ、下請けといえどもそれなりにカザフスタンの会社が使われれば、カザフスタン人は得た賃金等を国内で使うだろうし税収も増えるでしょうに、建設費用は中国人労働者や中国の会社に支払われるのだから、カザフスタンに金は落ちて来ません。
中国人労働者達は、仕事をしている間はカザフスタンで暮らすわけですが、出稼ぎですから稼いだ金がカザフに丸々落ちて来るわけではないし、飲食店も中国から乗り込んで来た中国人の店しか使わない人がほとんど。
流通ルートにも入り込むので、中国人の消費による、地元人に落ちる金は微々たるものにしかなりません。

日本のODAは紐付き(事業受注が日本企業)だから、中国も同じ事をやって何が悪い、と言う人がいますが、日本は下請けや労働者まで日本人で独占する事はしません。
資金を贈与するにしても貸与するにしても、資金を持ち出す側がそれなりの見返りを望むのは、持ち出す側にも当然国民が居て回さなきゃならない経済が有るのですから、「ある程度こちら側の企業を使って貰うからね」となるのは、仕方ないだろうと思います。
それによって、シノギを得る政治家が居るのは別問題です。
援助した先の国の経済水準が上がって来れば、貿易にプラスになりますしね。

ところが、中国の場合は資金提供先の国民の事は考えていません。
その国民が豊かになって行って、貿易が盛んになって互いに豊かになって行けば良い、とは考えていません。
俺達の言う事を聞け、聞かないなら命は無いぞ、が基本です。
古代シナ王朝の時から何も変わっていないのです。
カザフスタンで小金?を得た人は、権力者や政府高官ぐらいのものでしょう。裏金を掴まされて言いなりになった奴らだけだと思います、得をしたのは。

中国が造った高速道路って、インターチェンジが二ヶ所しかないんだそうです。
高速道路図をザッと探したのですが、見つかりませんでしたので推測ですが、最大都市アルマトイか首都ヌルスルタンにインターチェンジが有るのかも。
もう一ヶ所は、ロシアとの国境近くに有るのだそうです。
これはどういう事かというと、カザフスタン人の利便性は考えていない、という事です。
兎に角、中国からロシアへ抜けさえすれば当面OKという事です。

カザフスタンは債務を背負っただけ、って事になります。
建設費用はカザフに還元されず、輸送の効率化による経済の刺激も得られず、債務だけ背負わされた国民を抑えるには、強権にならざるを得ませんから、やはり中国の進出は人類を不幸にしますね。