新兵衛の覚え書き

見た聞いた読んだ浮かんだ思い出した……を書き留めています。

東進しないって言ったNATOが悪い?

ベルリンの壁が崩壊し、ソ連も崩壊して東西冷戦時代は幕を下ろしました。
東西冷戦と呼ばれていたものは終わりましたが、ソ連の中心であったロシアが西側と争っています。

旧ソ連だったベラルーシは、現在ロシア側についている様ですが、ロシアやベラルーシと国境を接しているのがウクライナ
ウクライナは、ベラルーシと同じ旧ソ連の領土でした。ポーランド旧東ドイツチェコスロバキアのように、一応の独立国家だったわけではなく、自治体に過ぎませんでした。
ソ連崩壊後、自治体から一国家として独立しました。バルト三国のように、独立後NATOに加盟する国や東側陣営(ソ連陣営)だった『一応独立国家』達も、ドンドンNATOへ加盟して行きます。
そんな中、ウクライナNATOに加盟はしていませんでした。

NATOは、元々は東側陣営(ソ連)の力に対抗する為のものです。そのNATOに、元東側陣営だった国がドンドン加盟して行った理由は、ザックリ言うならロシアから守ってもらう為でしょう。
ソ連時代からロシアは嫌だったんでしょうかね。「ロシアの言いなりにはなりたくない」と公言したら殴られるから、NATOに加盟する事を以て公言に替えたという事かなあ。

ウクライナNATO加盟されると、ロシアにとってはNATOとの緩衝地帯がゴッソリ無くなってしまいます。ロシアにとってはそれが嫌なんでしょうかね。
ロシアというより、プーチンプーチンみたいな人達が嫌がってるのでしょう。
力の論理の人達ですから、力で国境線を変えられると思っています(今の中国がそう)。
現在は、力で国境線を変えられるかもしれないと思っているでしょう。
変える事の出来る力があれば、緩衝地帯などなくても「戦争上等!」と言ってられますが、現在そんな力はありませんから、緩衝地帯を置いて置きたいのでしょう。
ウクライナの現在の領土のままでNATOに加盟されたら、ロシアは凄く嫌なわけです。
ウクライナ東部を独立させて子分にすれば、緩衝地帯の出来上がりです。

ウクライナ東部はロシア語話者が多いそうですが、ではロシアに併合されたいと思っているかといえば、そうでもないようです。ロシア語を話していようが「ここはウクライナで、自分達はウクライナ国民」という意識の人が多いのかもしれません。
しかし、台湾を観てもわかるとおり、違う勢力というものはあるのでしょう。そういう勢力があるから、ロシアがあんな事やってられるワケです。

NATO側は、東進する事はないと言ったのに……とプーチンはいっています。
日本でも、口約束とはいえNATO側が約束をやぶった、と言っている人達が居て、私もそう思っていました。
NATO側は、そんな事は言っていないとは言っていますが、世界の多くの人は言ったと思っていた様です。
ところが、プーチンの言っている事はフェイクだと発信する人が出て来ました。
ロシア側が最初からプロパガンダをやっていた、と。
当時からの資料を研究している人の発信です。

NATO側が、東進はしないと言った確実な記録は出て来ていないし、旧東側陣営から望んでNATOに加盟して行ったのであり、NATO側が『東進』を行っていた様子は窺えず、ソ連崩壊後の混乱が収束出来るようNATO側は手伝っていたのだそう。
弱っているのを良い事に、旧東側の諸国をNATOに引き込んでいったワケではない、とも。
ユーゴスラビアNATOが入って行ったのは、内戦が激しくて大虐殺まで起こっていたからだそうです。
バルカン半島への東進と言えなくもないですが、「放っておいて良いの、アレ。止めに入れるなら止めに入った方が良いのでは?」という話も聞いた事ありましたし。
100%裏心が無いまま止めに入ったとか、何かしらの利権を狙っていた連中は居なかったなんて事は考えられませんが、兎にも角にも収束して行ったのは事実です。
なので、「なんで東進して来るんだよ!」というプーチン側に対しては、「はあ?何言ってんだ、何時俺達が国境線拡げる様な、あんたみたいな事やったんだよ、嘘つくな」になります。

今のところ、どちらの言い分が正確なのか分かりませんが、ロシアのやってる事が通るなら、沖縄は中国に盗られるでしょう。
モンゴルも危ない。モンゴルより人口の多いウイグルでさえあんななんですから。