新兵衛の覚え書き

見た聞いた読んだ浮かんだ思い出した……を書き留めています。

統一教会と議員

昔、一世を風靡した桜田淳子というアイドルがいました。
桜田と、山口百恵森昌子で3人娘とか言われていました。

桜田の人気がパッとしなくなってからかは知りませんが、桜田統一教会の信者で、合同結婚式で結婚するというので、芸能関係のニュースやらが大騒ぎしました。
見合いしたからって、結婚に至らない事はザラにありましたのに、会の指定でいきなり結婚してしまうのですから、世間は「なんだ、それ?」になりました。
現代の様にインターネットで情報を得られる時代ではなかったので、大多数の人は何故そんな事になるのか、良く分かりませんでした。
現代なら、作り話から本当の話?まで乱れ飛んでいますので、選択して繋げて行けば教義がある程度分かります。情報量が多いですから、容易です。
投稿に対し、怒り心頭で反撃して来る人もいて、そのやり取りを見るだけでもそれなりにどんな教団か知る事ができます。
しかし、当時は「???」でした。

統一教会は韓国発祥の教団ですが、その教義はシャーマンといえる金聖道という女性が言っていた事が元になっています。
金聖道は、神の声を聞いて教団を率いた人で、統一教会創始者文鮮明はそこに所属していたそうです。
金聖道の話を理論家した人(日本人ではありません)がいて、それが統一教会の教義の柱になったとか。
文鮮明からすれば、共産主義は宗教を否定する敵です。
教会創設時はどうだったか分かりませんが、文鮮明イエス・キリストの生まれ変わりと言う様になりますから、北朝鮮の絶対首領の金日成とは相容れません。
北朝鮮共産主義とも言えませんが、その体制上キリスト(救世主)なんて居たら困るわけです。そんな存在を許すワケありません。
韓国側に住む共産主義者は、北朝鮮共産主義だと思っていたようで(今もそうかも)、貧しい人が大多数だった韓国は、共産主義者から視れば浸食しやすい肥えた土壌だったワケです。
(現在も共産主義系が強い地域は有るようですが)叩けど湧いてくる共産主義勢力は、文鮮明からすればトンデモナイ連中だったワケです。
当然反共となります。
共産主義に勝つ!という事で「勝共」というわけです。

文鮮明としては、教団をデカくしたかったでしょう。日本には朝鮮人が沢山住んでいましたから、日本にも進出して来たのだろうと思います。
日本も韓国も、共産主義者が蔓延るという悩みは同じでした。
それを抑え込みたい時の政権に協力する事は、教勢を広げる手段でもあったワケです。

宗教団体は、まとまった人手を供給するにはうってつけですし、個人個人よりまとまった集団が一気に共産主義を否定して歩く方が、効率もよいです。
まあ、効率が良いとはいっても、その宗教団体が危ないならあまり役に立ちませんが。

現在の創価学会は、本部の政治的方針に従わない会員も少しはいるみたいですが、大方は従います。
統一教会は、自分で思考しない度合いが高いのでしょう、方針通りです。
教勢拡大しか頭になくなるようで、それが正しい事だと信じ込んでいますから、議員を利用する事を何とも思いません。
個人が何を信仰しようが、それを理由に拒否する事は基本できません。
議員の秘書だろうが、議員になろうが、個人の信仰を理由に拒否はできません。
教団の指示であっても、「個人の意思で来ました」と言われれば、これはどうしようもありません。

さて、宗教団体は平和だの福祉だの、批判出来ない事を外面上大きく掲げます。
「我が教団の教えは自由主義と親和性が高く、共産主義とは相容れません。平和、共存共栄を愛する教えです。教団で平和の集いを行うのですが、先生に自由主義の話をして欲しいのですが」なんてな風に請われたら、行く議員がいるかもしれません。
「先生の話は素晴らしかった、応援します!」とかなんとか称賛し、議員の演説に駆け付ける姿を見せつけていれば一丁上がり。
議員は、教団の教義内容を見たりしないでしょうから、応援してくれる人達がいるし、謳っている事はもっともな事だから、祝電やメッセージぐらい構わないだろう、になってしまいます。
外面的に謳っている事って、何処の団体でも謳ってる様な内容に過ぎないだけに、断る事が難しい。

統一教会、コツコツ継続していれば、自民党内に議員を増やして行けたかもしれません。
議員を多数送り込み、利権を教団に落とせるような仕組みを造れたかもしれません。
私には、上層部は単なる欲タカリにしか見えませんが、欲タカリの度が過ぎて、信者を脅して(先祖の祟りで)金を巻き上げる事を激しく行い、現在の状況になっているワケです。

議員にしてみれば、支持してくれる諸々の団体と同じ様にしか考えていなかったでしょう。
中には、油っ濃い関係を持つ議員も居るのかもしれませんが、相手は宗教団体ですから、特別な便宜をはかるなんて事は、たいていの議員はやらないでしょう。政治献金だって、日本国籍の個人が教団とは関係なく自由意思で行なっているとなれば、信仰している宗教を理由に断わるのは憲法違反でしょう。
私はユル〜い神道系とかユル〜い仏教系で、それを土台に投票する事がありますし、私みたいなのが集まって「平和と自由主義を愛する会」を造ってユル〜い活動をしながら、「新年平和の集いにスピーチを」と頼めば来てくれる議員がいるかもしれません。祝電だけでも励みになります。そうなれば、投票するでしょうね。
そんな集団と、宗教団体を同じ様に見たらダメだと言う事を考えないで『票』に目が眩むから利用されるのです。

それだけの事でしかないと思いますよ、現在の統一教会とたいていの議員の関係は。関係を断っている議員も多いだろうなあ。

間接的には、布教する為の道具に議員の顔を使われていると考えますが、臨時国会を招集してまで関係性を追求する事ではないように思います。
何かしらの法律を作ってしまい、カツカツでやっているその他大多数の宗教法人が吹き飛んでしまう事の無いように祈るばかりです。