新兵衛の覚え書き

見た聞いた読んだ浮かんだ思い出した……を書き留めています。

アイヌを称賛する北海道新聞の記事

北海道新聞の1面の左下には、今日の一言的な内容の記事が載ります。
本日の内容は、自然と共生するアイヌの精神文化の話。

ある村の長の婦人が亡くなります。その御悔やみに何か物を贈らなければならないのに、あまりにも貧乏で何も持って行けないと悩む娘が居ました。
悩む娘に、祖父(だったかな?)が「行者にんにく(アイヌネギ)を持って行きなさい。長の妻は行者にんにくを或一帯から全部採ってしまったので神の怒りを買ったので」と言われます。
娘は行者にんにくを持って長の家へ行き、周り一面に行者にんにくを植えました。
すると、神のは怒りがおさまったのか、長の妻は生き返ったのでした……と。
万物には神が宿るという考えのもと、過ぎたる事の無いよう自然に優しいアイヌの文化……云々。

日本列島の精神文化も同じなんですけどね。一神教からすれば、とんでもない未開人の信仰って事になりますけど、日本列島(世界も)はそうだったし、未だにそれは影響を及ぼしています。
アイヌが殊更素晴らしくて優しく、他の列島民にそういう思想は無かったかの様に解されかねない書き方はおかしいのです。
そういう書き方をするから、アイヌにも存在した悪習が殊更にネットに投稿されてしまうという反発を生むのです。

万物に宿るのが精霊でも神でも構いませんが、宿るというのは一神教が支配する前はどの地にも有った思想でして、日本列島民もアイヌも同じですから、「おお、良い話だねえ」と直ぐに理解されます。基本が同じだから直ぐに理解されるのであり、例え話が違うだけの事ですから、アイヌが殊更どうのという事ではないのです。

部族間の争い(戦争)は、蝦夷地(北海道)で所謂和人が勢力を拡大する前からくりひろげられていたのですから、あまりにアイヌを持ち上げて他の日本人を蔑むのは、結局はアイヌの人達にとっても大変迷惑になるので止めて欲しいのです。