新兵衛の覚え書き

見た聞いた読んだ浮かんだ思い出した……を書き留めています。

ウクライナ大使館の削除動画

削除し謝罪、というのを見て初めて気付きました。
ヒトラームッソリーニ昭和天皇の3人の写真を並べ、ファシズムが云々との動画を流したそうです。
私が見た時は既に昭和天皇ははずされて、ヒトラームッソリーニ2人だけの画になっていましたが。
ウクライナ大使館どころか、ウクライナ政府からも謝罪があったそうです。

ファシズムの定義は固まっておらず、相手を否定する時に易く使用される為レッテルとしての力を発揮してしまっています。
独裁者でもなんでもない天皇という存在が、ファシズムの象徴だった様に思っている人が沢山いるのはこのせいでしょうね。

ウクライナ大使館のアカウントでツイートをしている人がどんな人なのかは分かりませんが、天皇並びに皇室の歴史を知らないか、若しくはそれを否定したい日本人との交友が深い人なのかもしれません。
また、ウクライナはChinaとの関係も浅くないので、China勢力がウクライナ大使館に何らかの影響を及ぼしているのかも。

その国や集団の価値観と神話は繋がっていたりします。
日本はまさにそうで、天皇は神から、国民を愛し抱きしめ、国民が末永く幸せに繁栄して行けるようにと国を預かったのです。
現実には、天皇が政治を行ったり地位争いをした歴史は有りますが、そういう歴史が展開されていた時代にあってさえ、『しらす』と『うしはく』の感覚は大きく存在した様で、政治権力者が変わって行きながらもその地位自体は残り続け、現在に至ります。

統治者と聞けば、たいていの人は『政治権力者』と思うでしょう。つまり支配者。
支配者といっても、独裁者から単なる権限者まで色々ですが、権限を持たない統治者などと聞けば、誰もが「???」になるでしょう。
日本人でさえ肌で感じる事が出来ない人々がいるのに、他国の人なら尚更でしょうね。
肌で感じる人々でさえ、言葉で説明しようとしても「え〜と……」となってしまいます。
国際的には、エンペラーといえば最高権力者という歴史があります。
最高権力者じゃないエンペラーって何なんだと聞かれても、説明出来る人はどのぐらい居るんでしょう。私は上手く説明出来ませんが、その他大多数は説明出来ないでしょうね、官僚や政治家含め。
そういう事を表現しようとする動き自体を抑圧して来たのが戦後の日本なので、言論が育たなかったと思われます。
そんな日本ですから、外務省だろうがなんだろうが、上手く発信出来なくても仕方ないのかもしれません。
アカデミーの世界を初め、ぶっ飛ばしてやりたくなりますが、やっとこ最近言論が出て来る様になりましたので、これから練り上がって行くでしょうし、ドンドン発信されて行くでしょう。

しかし、まだ始まったばかりの状態と言って良いので、あの強力な『レッテル貼り伝統破壊願望者』達は、この動きへの攻撃を増して来るでしょう。

ウクライナ大使館のツイッター担当者は、攻撃側の言い分を受け入れてしまっていたのかなあ、と推察します。
天皇の存在は理解し難いかもしれませんが、今も昔も独裁という存在ではなかったし、日本がファシズム(独裁)だったわけではありませんので、天皇ファシズムの象徴などであるはずないんです。
ヒトラームッソリーニを選んだ当時の国民には仕方ない面もあるでしょうから、ヒトラームッソリーニを批判されても、「我々もそう思う」という気持ちはあるでしょう。
ヒトラームッソリーニは、歴史と伝統ではないんでしょうね。だから彼らが批判されても、ドイツやイタリアの国民の根本を批判されているとは思わないのでしょうから、怒る事はないようです。
でも、日本における天皇と国民は一体ですから、天皇を侮辱する事は日本人を侮辱する事になります。
日本は、ファシズム国家だったわけでもないし、天皇が独裁者だったわけでもないので、ウクライナ大使館のツイートに怒ったわけです。
ヒトラームッソリーニと並べられる以前に、ファシズムの象徴とされた事自体に怒ったわけです。
歴史の歪曲捏造で自虐日本人として育ったままの日本人ならいざしらず、そうじゃない日本人なら怒ります、理屈じゃないんです。

まあでも、ウクライナは応援支援します。

アゾフ大隊とロシアの侵略

アゾフ大隊……現在はアゾフ連隊が通称となっていますが、何故か大隊と言う人が多いです。
国家親衛隊に属する組織であり、民間の組織ではないので、ウクライナ自体が極右……ネオナチに牛耳られているかの様な事を発信している人達もいますが、極右集団なら何でもネオナチと言ってしまうのはどうかしています。
確かに、極右といえば民族主義が強いのですが、ウクライナを観た場合に、ロシア語で生活している人達でも「自分はウクライナ国人!」としてアゾフ連隊に所属してロシアと戦っていますから、アゾフ大隊はネオナチだと言ってる人には注意が必要かと思います。

ウクライナ語とロシア語では、意思疎通は結構大変らしいです。
日本に例えるなら、バリバリの津軽弁の人と話してるみたいなものだとか。
ウクライナの東南部や南部は、大量に移住して来たロシア人の影響で、この地域のウクライナ人達にもロシア語話者になった人が多いそうです。
民族の定義に確定したものは無い様ですが、民族を構成する条件の一つに言語があげられます。
ウクライナにおいて、ウクライナ語とロシア語を話す集団がありますから、異なる民族の大集団が存在している事になりますが、アゾフ連隊はゴッチャです。ウクライナに移住して来たロシア人の子孫でロシア語話者であっても、アゾフ連隊に参加している人達が沢山いるそうなので、アゾフ連隊が現在も極右思想の持ち主達で構成されていたとしても、バリバリの民族主義の集団とは言えないでしょうね。
ナチスゲルマン民族主義でしたが、アゾフ連隊に所属する人々はどうなんでしょう。ウクライナ国人以外を排外しようとする思想なんでしょうか。
言語は違えど、ウクライナ国人であればウクライナ民族とし、ウクライナ民族以外に排外的なんでしょうか。
ネオナチと呼ばれるものには、元のナチズムとはかなり違うものも存在している様ですが、基本は部外者にたいする排外が強いという事になろうかと。
しかし、ネオナチを濫用する傾向も世間にはあります。
ロシアは、ウクライナの「非ネオナチ化」を侵略の理由に揚げるという変化を見せています。これはレッテルを貼っているに過ぎないでしょうね。
なんでもネオナチと呼べは自分が正当化できるはずもなし。

力で独立しようとしたら、極右であろうがなかろうが、力で阻止されるのは世界共通と言って良く、昔も今も変わりません。日本だって死刑になりかねない行いです。
マイダン革命は、親EU派というか反ロシア派の内の武力集団の主導によるものですから、やった事自体は共産主義者達と変わりませんし、やっちゃ不味い事です。しかし、ウクライナの1地域で独立しようとしたわけではありません。ロシアに牛耳られて行くのはゴメンだ!でしょ?あれって。
2008年だったかなあ、ジョージアでの南オセチアの件での争いで、これを許せば次はウクライナだってんで、ウクライナから義勇兵が駆け付けていましたから、マイダン革命の暴挙もウクライナの人々には複雑な思いがあったでしょうね。

アゾフ連隊の前身であるアゾフ大隊は、当初は民間集団でした。オリガルヒと呼ばれる新興財閥が資金援助して出来た集団です。
オリガルヒは政界に物凄い力を持つので、創設後程なく国家機関に組み込まれて行きます。国は、アゾフ大隊や他の大隊を組み込みながら、非政治化して行きました。創始者で、極右と言われる人物達は、この集団から切り離されて行きます。
しかし、アゾフ大隊等を構成する兵士達は、自国を防衛する為なら荒っぽい事も辞さない人が多いという事です。

アゾフ大隊が結成された当初の中心メンバーは、ハルキウに在るサッカーチームの応援集団の一つだったそうです。この応援集団をウルトラスと呼ぶそうですが、ウルトラスは幾つも在り、その中の一つがアゾフ大隊の中心を成したとの事。
ウルトラスの特徴は、どの集団も自国への想いが強いそうです。その中でも、戦闘に身を投じても構わない思いが強い集団がアゾフ大隊の中心を成したと。
イギリスのフーリガンといえば、素行が荒いと聞きますが、ウルトラスも荒い集団が多いとの事。そんな人達ですから、分離独立派と見れば、頭に血が昇りやすいのでしょうね。
スラブ人自体、争いになると残酷になってしまう人が結構居るとも聞きます。
第二次世界大戦時のバルカン半島での状況に、ナチス親衛隊の司令官の一人が、「もう嫌だ」と泣き言を言ったぐらい凄いのだとか。

閑話休題、アゾフ大隊(現連隊)をネオナチだと非難している人達に言いたいですが、アゾフ大隊がネオナチ集団かどうかは別の話で、ロシアがウクライナを侵略している事は正当化できません。プーチンが攻め込んだのは仕方ないとか、何を言ってるんでしょう。
ウクライナにおいて、分離独立派が武力で騒ぐ事がなく、ウクライナの極右が、親ロシア派を気に食わないとばかりに虐待して歩いていたなら、それはそれでやり様があったでしょうに。
なのに、クリミア半島を侵略して経済制裁を喰らうって、何をやってんでしょう。

国境線は力で変わる、そう公言する隣国が有るのに、ロシアのこの侵略を擁護するとか、何を考えてるんでしょう。

クリミア半島の事

クリミア半島って、元々ロシアだったわけではありません。
キーウ公国ができるずっと前から、スキタイ人だとかが住んでいたそうです。
ペルシアだの東ローマ帝国だのの影響下にあって、現セヴァストポリの近くに植民都市が営まれていたそうです。

2500年ぐらい前に生まれたと言われるヘロドトスの書物に、スキタイとかが出て来ます。
スキタイ人やキンメリア人は遊牧民で、南ウクライナを主に活動していたみたいですが、現在のスラブ人に分類される人々とは違っていたのかなあ。

その昔、スウェーデンからやって来た一族がいました。所謂バイキングです。
この一族が支配層となって、やがてキーウ公国を建てます。
キーウ公国は、クリミア半島を経由して交易を行いましたが、クリミア半島にはスラブ人しか住んでいなかったわけではありません。テュルク系も住んでいた様です。
キーウ公国に滅ぼされたハザールという国も、テュルク系な可能性が高いそうですので、クリミア半島にテュルク系住民は結構居たかもしれません。

13世紀、モンゴルが押し寄せて来て、キーウ公国は滅亡します。
東ヨーロッパを支配したキプチャク・ハン国は、16世紀に滅びてしまい、クリミア半島クリミア・ハン国というのができます。クリミア・タタールという人達が創った様ですが、クリミア・タタールはテュルク系だそうです。
テュルク系といっても、スラブ系との混血が長いですから、モンゴロイドの遺伝子は薄く、コーカソイドと言って良いとか。

クリミア・ハン国は、オスマン帝国ロシア帝国の配下になり、ソ連によって完全に自由がなくなってしまいます。
独ソ戦時、独に加担した嫌疑でクリミア・タタール約20万人が、シベリアなどに強制移住させられましたが、その過程で約半数が死亡しました。猜疑心てんこ盛りのスターリンは、こういう事には躊躇しない人でした。

ソ連は、黒海の海軍拠点をクリミア半島に造るなど、ドンドン開発して行きました。それに合わせてロシア人が大量に移住して来ます。
帝政時代既に、クリミア半島タタール人は少数派になっていましたし、スターリンによって強制転出させられたタタール人が多数だった為、ますます少数派になってしまいます。
スターリンの死後しばらくして、フルシチョフによってクリミア半島の管轄はウクライナに移されます。
ウクライナの領土にしたわけですが、ソ連が支配するウクライナに移したからといって、大した問題ではなかったんです、当時は。
クリミア・タタールの帰還も許され、クリミア半島に占めるタタール人の人口は1割になりました。
……1割……昔はもっと率が高かったんじゃないかしら。

ソ連が崩壊し、ウクライナは完全に独立します。当然、ウクライナ領土になっていたクリミア半島ウクライナになります。
ウクライナを構成するクリミア自治共和国となります。
ところが2014年、ロシア支配の下で住民投票をやらかし、ウクライナから独立した事にしてしまいました。
クリミア半島のロシア系住民は65%ぐらいだそうですが、現在ロシアに侵略されているウクライナのロシア系住民に反ロシアが多数居る事から、クリミアの住民投票の結果も怪しいです。
独立に反対票を投じたタタール人は500人しか居なかったとの事ですが、じゃあ何故何万人もウクライナに『逃げて』来るんでしょう。
タタール人の反対500人、って分かるって事は、記名投票でしょ、これ。恐ろしくて反対票など入れられないじゃないですか。
仕方なく賛成票を投じたけれど、ウクライナに逃げるしかなかったタタール人続出って、いったいなんなんですか。
セヴァストポリ特別区は、ウクライナ独立後もロシア管轄になってたみたいですが、ここを拠点にタタール人やウクライナ人にクリミア半島全域で超嫌がらせやってんじゃないの?命も危なくなる様な。
ロシア系の多くは様子を眺めるしかなく、官憲やナショナリストタタール人やウクライナ人をドツキ回してんじゃないかなあ。

クリミア半島を開発発展させて来たのはソ連とはいうものの、自分からウクライナにあげといて、今更何やってんだかなあ。

ウクライナドンバス地域は外患誘致

ウクライナ東南部のドンバス地域は、2014年から戦闘が行われている。
ウクライナ南部のクリミア半島が、ロシアに切り取られて以降独立武装組織が暴れるようになる。
チェチェンジョージアで行われた事から考えるに、ロシアからの工作はより前から行われていただろう。将来、一般人も簡単に目にできる資料や研究本が世間に出回るだろう。内容は、ロシアの工作。

ドンバス地域では、ウクライナ側のアゾフ大隊と呼ばれたウクライナの準軍事組織に、ドンバス地域分離独立勢力と武力衝突し、独立派に加担したと見做された者達が粛清されていた。
ロシア語で生活している人達は皆独立派かといえば、そんな事はない。独立は、地域住民の総意ではないのだ。総意なら、虐殺された親ロシア派の人数が15,000人で済むとは思えない。尤も、人数はロシア側の発表であるから、超過大発表な気がする。
15,000人が本当だったとしても、戦争犯罪とされる殺害はどれぐらいの人数だったのだろう。戦闘に参加したとか加担したとかで死亡した人が大多数なのかもしれない。
ロシアは、つい最近まで国連の人権委員会に名を連ねていたのだから、虐殺された人の証拠を順次提出して来ていれば、風向きは違っただろうに。

虐殺して歩く準軍事組織を相手に、支配地域を広範囲に確保できる民間独立武装勢力って、いったいどうやって強力な武器を用意・補充していたのか、8年間も。
で、ロシアが侵攻して来た。
内乱罪外患誘致罪といえる。
日本でも、これらは死刑か無期懲役である。ウクライナの法律はどうなのかは知らないが、ロシアに命を翻弄されて来たウクライナが、厳罰に処さないとは思えない。

軍事侵攻しちゃダメなのよ、結局。

ロシア軍の駅攻撃

避難民が集まっていた鉄道の駅に、ミサイルが撃ち込まれました。
まだ鉄道が機能していたんですね。鉄道で脱出しようと民が集まっていた所へのミサイル攻撃。50人以上が亡くなったそうです。深傷を負ったが為に、これから亡くなる人もいるでしょう。

ロシアは、ウクライナ軍が居たから攻撃したと言ってましたよね、最初は。
ところが、現在はウクライナ軍がやったと言ってます。
マリウポリの劇場も、最初はウクライナ軍が陣取っていたと言ってたんです(AFPの記事)。記事には攻撃したとまでは書いてありませんが、ウクライナ軍が陣取っていた、と。
非難民になんて事するんだ!に対し、敵軍が陣取っていたんだ!と返せば、攻撃した理由を答えたと解するのは当たり前。
故に、私はマリウポリの劇場を攻撃したのはロシア軍だと判断したのですが、鉄道の駅攻撃も返しの変化が同じになっているのに呆れました。
ロシア軍は、発言の統制ができていない様です。

ミサイルはピンポイントで撃ちます。目標から,100メートルも200メートルも離れた所に着弾してしまう程性能が悪いわけでは無い、との事。そこを狙って撃ったのは間違い無いでしょうね。

ウクライナ軍が陣取っていたから」とか返しておいて、「ウクライナ軍が撃った」はないでしょう。
何ぬかしとんねん!おかしいだろ!

マリウポリを空爆しているのはウクライナ軍?

ウクライナ軍が、マリウポリ空爆しているとのツイートがありますが、ウクライナ軍が空爆していてもおかしくないのです。

ウクライナ空軍が現在、戦闘攻撃機を飛ばせているのかは知りませんが、飛ばせていたとして、マリウポリを爆撃する事はありえるんです。
だって、ロシア軍に占領されているマリウポリ市街はあるんですから。
ロシア軍が陣取っていたら、攻撃するのは当たり前の事。
避難していない(避難し遅れた)市民は居るでしょう。そういう市民は避難所に集まり、空から見える様に屋外に大きく避難民が居る事を知らせる、何らかの単語(「子供」とか「避難所」とか)を書いていると聞いていますが、そうであるならウクライナ空軍の戦闘攻撃機はそこを空爆はしないでしょう。
ゲリラみたいなのが避難所を偽装して潜んでるわけないです。軍隊が大量に入って来てるのですから、避難所を偽装出来るとは思えません。
故に、ウクライナ空軍は避難所を空爆などしていず、占領ロシア軍を空爆していると思われます。

マリウポリの劇場が攻撃を受け、避難民が少なくとも300人以上死亡したと思われますが、劇場の屋外には大きく「子供」とロシア語で表示されている為、攻撃機による爆撃をウクライナ軍が行うとも思えません。
ミサイルによる攻撃と言われていますが、ミサイルは闇雲……大雑把に撃つのではなく、目標を定めて撃っているようですから、劇場がミサイル攻撃を受けたのだとしたら、狙って撃ったと言えるのではないでしょうか。

ネオナチを抱えるウクライナ軍!、と盛んにロシアは発信していますが、ネオナチなら自国民を平気で殺して相手が殺した事にする奴らだ、とプロパガンダしたいのかな、と思ってしまいます。
2014年に、マリウポリ警察本部で親ロシア武装勢力と警察との銃撃戦があり、ウクライナ防衛隊(アゾフ大隊かな?)が戦車で現場へ駆け付けようとしている動画があります(戦車って速く走れるんですね)。
警察本部を武力占拠、なんて事は国として許すわけありませんから、駆け付けるのは当然です。
駆け付けようとしている戦車の邪魔をするため、親ロシア(独立したい又はロシアへの併合?)派だろう市民が、バリケードを置いていました。
『道路工事中につき通行止め』に使うような簡単なバリケードですから、戦車は減速する事もなく難なくバリケードを踏み潰して走り去りました。
市民達は怪我もせずに何か叫んでいましたが、独立支援だと見做されたら只じゃ済まなかったかもしれません。
そんな市民が居る街ですから、劇場に居る奴らは『そんな奴ら』だとばかりにウクライナ軍が攻撃したんでしょうか。
マリウポリ防衛がなされたとして、避難民がその後ウクライナ側の驚異になる様な人達なんでしょうか。ちょっと考え難いです。
従って、ウクライナ側が避難所を攻撃する事は考え難いのです。
考えられるとすれば、「まだ抗戦するなら非戦闘員をもっと殺すぞ」とばかりにロシア軍が攻撃した、です。

実は、アゾフがネオナチと言えるかどうかはわかりません。
ウクライナ防衛の為に命をかける意思が特に高い人達でしょうから、ロシア軍に非戦闘員が虐殺され続けても戦いは止めないでしょう。「我も共に死す」みたいな強い気持ちがあるのではないか。
「すまない、犠牲になってくれ」とばかりに自国民を殺してロシア軍が殺した様に見せ掛け、世界を味方につけてロシアを引かせようとしたんでしょうか。
もしそうなら、悲し過ぎる。

今のところ、ロシア軍がやったんだろうと思っています。
侵略開始まもなくから、ロシアはウクライナの東南部と南部を領土にするのが目的ではないか、と言っている人がいましたが、そうかもしれません。なのでマリウポリは重要な地点となりますから、避難民の命は軽いと言えます。
偉大なるロシアの復活、なんだとするなら、人の命は二の次でしょう。
ウクライナ側が劇場を攻撃したなら断腸の思いでしょうが、ロシア側はそうではないでしょう。

そういう事で、劇場攻撃はロシアな可能性が高いかな、と。

慰安婦……まだ四の五の言ってるの?

慰安婦は居なかった」は誤り。「従軍慰安婦は居なかった」が正解。

慰安というのがあります。心をなぐさめ、労をねぎらう事を慰安といいます。
戦地にいる将兵は大変なわけです。それで、芸人が芝居を観せるなり歌を聴かせるなりする為に慰安に行きました。
芸で慰安をする人達は男女共にいましたが、慰安婦とは呼びませんし、慰安夫とも呼びません。
慰安夫は存在しませんでしたが、慰安婦は存在しました。芸人などではない人達で、慰安婦と呼ばれる人達が存在したのです。

芸をしない慰安婦って、将兵をどうやって慰安したのでしょう。休暇を取った将兵が集団になって、何処かへ旅行でもする際にガイドをする女性でもいたんでしょうか。
そんなものは存在しません。戦地で集団旅行など有るわけないですから。
では、どんな慰安をしたのかといえば、それは遊びの相手をする事だったんです。
どんな遊びかといえば、性の遊びでした。
当時の性の遊びに本番無しなんてありませんから、性の遊びといえば性交となります。
将兵の性交の遊び相手をして報酬を得ていた人を、『慰安婦』といいます。
早い話、売春婦という事です。

現在でも、国から認められた人は売春しても良い、という国があります。
認められた人を公娼といいます。公に認められた娼婦(売春婦)という事で公娼というのですが、慰安婦は公娼だったんです。
日本の将兵のみの性の遊び相手をする公娼を慰安婦といいました。日本の将兵のみの相手をする公娼が居る所を特殊慰安所と呼んだので、この公娼を慰安婦と呼んだわけです。

戦地といっても、戦闘が行われていない都市や村は沢山あります。娼館も有るし立ちんぼも居たので、どうしても将兵は遊んでしまうわけです。それで性病に罹り、軍務が行えなくなってしまう将兵が大量に出る事から、将兵専用の娼館を創って対処しようとなったという事です。
認められた者以外は、日本の将兵専用の娼館を経営あるいは性の相手をする事はできませんでした。
娼館を経営するにも慰安婦になるにも一応決まりがあり、これに軍は関与できませんでした。ただし、決まりを守らない業者などには憲兵の介入が有った様です。介入して行政に引き渡していた様ですが、軍政を行うしかない地でも、国が作った決まりに従って行われていた様です。
軍が慰安婦とか業者を募集する事はできませんでした。娼館を経営しようとする者がいなかったり、慰安婦になろうとする者がいなければ、軍は諦めるしかありませんでした。
が、当時の大日本帝国は貧しい人が多く、それなりに慰安婦は集まりました。
物凄く戦線を広げてしまったので、慰安婦の数は不足していたと聞きます。しかし、軍が慰安婦狩りをしたという確たる証拠はほとんど出て来ていません。
稀に、インドネシアのスマランで白人を収容所から連れ出して性の相手をさせたという事件はありましたが。

従軍慰安婦』というものはそんざいしなかったと前述しましたが、商売相手の軍の移動にあわせて移動する娼館も有ったそうです。野戦病院ならぬ野戦特殊慰安所というわけです。
街中に館を構えるより危険なんですが、付いて回る業者が存在しました。軍の強制ではなく、業者の意向です。
夜間、慰安婦の居るテントに兵が忍び込まない様に衛兵が立ったそうです。
戦況が危なくなりそうなら、安全な地に送り届けていたとの事。危なくなりそうならサッサと移動出来たわけで、従軍とは違います。従軍看護婦の方が危険度は高かったのです。
慰安婦の中には、自分の意志で看護助手的な仕事に加わった人も居るそうで(朝鮮人慰安婦)、それが後に「従軍慰させた!」にされてしまったものもあるやに聞きます。
看護に加わる義務は無いのに、日本国人としての使命感が強かったのか、朝鮮人兵の戦傷兵を放っておけなかったのが動機なのかは分かりませんが、参加しています。
看護も兵と一緒に戦っていると言っても良いのですから、本人は誇りに思ったのかな、と。
そんな思いで語った事が、「慰安婦を従軍させた!」に利用されたのかな、と。

再度言います。
従軍慰安婦』は存在しません。
慰安婦』は存在しました。