新兵衛の覚え書き

見た聞いた読んだ浮かんだ思い出した……を書き留めています。

『シナ』は差別語か?

「中国と呼べ」とあちら側から言って来たので、当時の外務省だったかな…が「支那」と使わず「中国」とする様に通達を出すも、皆さん「中国」とは使わず「支那」と使ってました。

支那」と使う様になったのは新井白石からだという説がありますが、「支那」が定着するのはずっと後のことだそうです。
それまでは、「カラ」とか「モロコシ」とか呼んでいたので、新井白石が「支那」と使う様にならなければ、「日支事変」ではなく「日唐事変」ってよんでたかもしれません。
「暴支膺懲」ではなく「暴唐膺懲」って言ってたりして。

支那」…日本では「シナ」と発音します。漢字にはそれ自体に意味がありますが、日本人は単なる宛字としか思ってないでしょうね。
意味はわからずとも、「支那」と書いてあったからそのまま「シナ」と読んだだけなのかどうかは分かりませんが、大抵の日本人は意味などわからずそのまま「シナ」と読んでいたのではなかろうか。
私の住む札幌を、「札幌」という漢字にはどんな意味が込められてるんだろう、なんて考えません。
アイヌがサツポロと呼んでいたのを、同じ音の漢字
を宛てただけであり、「札幌」という漢字自体に意味は持たせていません。
支那」の字自体には意味は無い、そう中国の辞典にも書かれているそうです。
では、何故差別語的に扱われる様になったのでしょう。

調べてみるに、ハッキリした事はわかりません。
「シナ」という発音は、漢字の「支那」から来ているのは明らかですが、見下す為に「支那」を採用したという話は伝わっていません。誰も見下すつもりで使っていたわけではない様です。
何故「支那」なんだろう、という人は居たでしょうけど。
一方、国際的には現在も「チャイナ」です。
これは、昔「チナ」か「チーナ」か知りませんが、そういう名の国が在ったからだと言われています。
秦の事だと言われていて、秦の読みが外国人には「 チナ」とか「チーナ」に聞こえたのでしょうね。
それが「チャイナ」に変化して定着したと。
漢字の「支那」が源ではないので、「チャイナ」と呼んでも問題は無いという事なんでしょうか。
日本での「シナ」は源が「支那」だからダメという事なんでしょうか。
一説には、世界の中心の国…「中国」と呼ばせたい、というのもあります。

「シナ人」は、からかいとかに使われる様になります。何故かと言えば、敵対したから。
中華思想による蔑みの様なものとは違いますから、敵対が無くなれば悪い意味でも使われなくなります。戦争を経験した人達からは、「シナ」を使っていても蔑む感情は受けませんでした。寧ろ一目置いているかの様に感じたものです。

現在はどうであるか。
「シナ人」と書くと、ツイッターはアカウントが凍結される事があります。差別用語なんだそうです。
歴史で古代や中世や近世を学ぶ際は、地域名としての「シナ」を使いますが、それもダメらしい。
「中国」というのは、地域名でも何でもなく、70年前に現れた国の名でしかありません。
統一王朝が何度も変わっている為、地域名を何れかの王朝名で呼ぶのは紛らわしい為、「シナ」と使っていたのですが、それがダメらしい。
日本は国名が一貫して日本ですから、地域名で使っても紛らわしくも何ともありませんが、「古代中国」などと使えば、昔から「中国」と呼ばれていたとなってしまいます。

ヨーロッパでいうなら、「古代ベルギー」とは言わないでしょう。
エジプトは昔からエジプト。「エジプトはナイルの賜物」なんて書いた人がいるぐらいですから、「古代エジプト」は全然OK、昔からこの地は「エジプト」。
昔は「中国」でもなんでもないわけですから、「シナ四千年の歴史」ならわかりますが、「中国四千年の歴史」だとマルッと嘘になります。

「シナ」が差別語?
政治の都合で弾圧する最低な行為だと思います。

因みに、私からすれば「支那」という漢字はどうでもよいので、「支那」と書かこうが書くまいがどうでも良いのです。
歴史的用語として、地域名として、その地に住んできた人の名として「シナ」を使ってます。
「チャイナ」も使いますが、「中国」や「中国人」は一定の範囲でしか使わないです。

「シナ」は差別語?
まったくロクでもない!