新兵衛の覚え書き

見た聞いた読んだ浮かんだ思い出した……を書き留めています。

感染突破?

『感染突破』という語を見ました。韓国の中央日報の日本語版に載っていました。

検索してみますと、ワクチン接種完了後に感染する事の様です。
ワクチンという砦を、ウイルスが突破した、という様なイメージで使われていますが、何やら印象操作的というか煽情的な使い方な気がします。
インフルエンザワクチンもそうですが、中共コロナワクチンも、死亡や重症化を防ぐ為のものであって、感染自体を防止するのが主ではないと思っていたなら、こういう表現の報道は「意図的?」と問いたくなります。

体内にウイルスが侵入しても、増殖できなければ症状は出ない様ですが、これは感染ではなく陽性です。無症状者はこれに当たるでしょう。
ウイルスが増殖するスピードより、抗体がウイルスを撃退する(消滅させる)スピードが速ければ、ウイルスは症状を引き起こす為に必要な数を揃える事が出来ずに終わってしまいます。
これを陽性者といい、厳密には感染者ではありません。
しかし、体内にウイルスが居る事には違いありませんから、感染者に比べ排出する量は少ないとはいえ、排出したウイルスが他の人に侵入する危険はあります。
陽性者から排出されたウイルスの、新たな侵入先の撃退力が弱かったら、感染までいくでしょう。
しかし、感染させられても重症化させられるほど撃退力が弱くなければ、ウイルスに蹂躪されることはありません。

砦の攻防戦で説明すると解りにくいかもしれませんが、砦(体)の中に入れない為にワクチン接種をするわけではなく、砦内に撃ち込まれた火を燃え広がらせないようにするのがワクチンの役目だろうと思います。
撃ち込みを防ぐ役目は衛生行為と言えます。

『感染突破』の使い方を見ると、ウイルスが直接砦の壁をよじ登って来たり扉を破壊して体内に押し入って来るのを防ぐのがワクチン、という印象を抱いてしまいますが、それを防ぐのはワクチンの役目じゃありません。

ワクチンによって、皆を陽性者レベルで鎮火してしまえれば良いのですが、ワクチンという強力な助っ人を得ながら、助っ人の力を活かせないまま死亡したりする人がいるのは確かです。
しかし、この助っ人は良い働きをするので、死に至らなかったり重症化まで至らなかったりする人が多いのも確かです。
という事は、ウイルスを排出する量の少ない人が増えるという事になりますから、ウイルスに侵入される人も減って行く事になります。
集団免疫をつけるには、やはりワクチンは大事かなあ、と。

死亡率、重症化率がワクチンによって下がって行けば、恐れは緩みますから自粛も緩みます。
そうすれば、人の活動が活発になるので陽性者数が増加するのは目に見えていますが、ロウソクの火が燃え尽きる一瞬火が大きくなる様なものかもしれません。

『感染突破』などという表現で、ワクチンに幻滅感など持たない様願いたいものです。