女系天皇と女性天皇の違いを分からない人も多々いると聞きますが、女性(女系)天皇を推進しようとしている人達は、その違いを理解しているのかもしれません。
何故男系を続けて来たのかも知っているかもしれません。
知っていて、シナ王朝の影響だの儒教の影響だの男尊女卑の現れだのと言ってるのではないか、と思ってしまいます。
兎にも角にも「女性差別だー！」で踏み潰そうとするか、「可哀想」とか、「今はそういう時代じゃない」とか、現時点での感情を実行する事が一番だみたいな感じしか受けません。
こういう人達には、「歴史修正主義者めが！」とレッテル貼りで、歴史研究さえも抑え込もうとする人が目立つ様に感じるのは私だけかなあ。
一般での、一般に対する男系女系の理解は、『代々女ばかりが産まれるか、男は育つ前に死ぬかで婿養子を迎えて家を繋いで来た』みたいなものだと思います。
「武士の世の中でも、殿様が婿ってのはちょくちょくあったそうだし、家を継ぐのに男系に拘るのが変」などという話さえ聞きます。
「男であろうが女であろうが、血が初代神武天皇に遡れるなら良いじゃないか」という意見も聞きます。
現在出されている女系容認の内容は、女性天皇の配偶者は誰でも良いというのが前提になっているのです。神武天皇の血さえ途切れなければOKという考えです。
過去、女性天皇は８人いらっしゃいました。しかし、この方々は皆さん男系です。
第44代元正天皇は第43代元明天皇の娘で、元明天皇は女性ですから、「女系だ」と言う人がいますが、皇室は、父親の父親の父親の…と遡って行くと神武天皇に行きつくのでなければならないのです。ならないというか、これを男系といいます。
元明天皇の父親は天智天皇で、元正天皇の父親は天武天皇の息子である草壁の皇子です。男系は途切れておりません。
因みに、元正天皇は女系でもあり男系でもあるので、双系です。なので、男系は途切れていないという事です。
男系継承を男尊女卑だと、いつもの如く耳にしますが、伝説的時代の考え方は分かりませんが、皇位継承は男尊女卑とは言えない事情で男系継承されて行くようになります。男系継承に変わりはありませんが、事情が変わって行きます。
天皇は権力を持たない存在になって行きます。日本は、権力と権威が分離する歴史を歩むようになります。天皇は権威としての存在となって行きました。
権力者の地位に就くには、天皇に認めてもらわないと地位に就けないのです。
権力を握ったなら、自分で天皇になれそうなものです。外国は皆そうですから、日本もそうなっていてもおかしくありませんでした。
しかし、島国だった事もあって外来勢力に征服される事もなく、とてつもなく国内が乱れ続ける事もなく過ごして来たせいか、天皇という権威まで奪って他の勢力から狙われるという状態になるぐらいなら、天皇に認めてもらう事で余計な殺し合いまでする事もないかと皆が考えたのか、権力と権威が分離する体制になりました。
じゃあ権威は何で担保されるのか。日本という国の基は神武天皇が建てた国であり、男系で継承されて来たのが担保になります。
続いて来たものの人に与える威力ってすごいですね。
革命が基本の日本共産党でさえ、「立党以来100年の…！」と言うぐらいですから、続くというのは人にとって大事な事のようです。
さて、この男系継承は女性を差別する目的で行われて来たのでしょうか。
雅子皇后陛下は民間人でした。民間人だった皇后陛下のお子様は天皇位に就ける可能性はあります。お子様が男子だったなら、可能性どころか皇位継承順位１位となります。
民間人の男性が皇族の女性と結婚したとしても、男性は皇族になれません。皇族の女性は皇籍離脱をしなければならなくなります。従って、民間人の男性の子供は天皇になる可能性は無い、という事になります。
これは、ずっと昔から続けて来た事でして、あの藤原氏さえ同じ扱いでした。
皇族に復帰した人以外、臣下から皇族になった人は例がありません。
これって、男性排除になっています。
他の地と比べると、日本がかなり平和だったのは、天皇並びに皇室が存在していたからとも考えられます。
組織構造として権力の上に存在しているのではなく、円の中心というか球体の中心というか、不思議な存在になって現在に至っている感じがします。
いつも国民の事を想ってくれ、祈り続けてくれる存在がいらっしゃる…言葉では表現できない安心感みたいなものがあります。
長い長い時を続いて来た存在の影響力ってすごいですね。
数々の歴史を乗り越えて続いて来た存在を頂いて受け継がれて来たのが日本です。
頂いて来た存在は男系継承です。それが途切れるという事は、受け継がれて来た日本ではない日本になる、という事です。
長ければ何でも良いというわけではありませんが、歴史の短い国々の人達にも、日本の皇室にロマンを感じる人さえいるぐらいですから、長く続いている事の人への影響力は理屈ではないのでしょう。
それを、一時の感情やイデオロギーや他国擁護？や反日？で無くしてしまうのは賛成できません。
