新兵衛の覚え書き

見た聞いた読んだ浮かんだ思い出した……を書き留めています。

野党は最早、やり方を変えないと政権には近づけないかも

自民党、田舎では強いですよね。田舎者は変わるのを嫌うからとかの主張も聞きますが、自民党の源流は地方です。

板垣退助自由民権運動といえば、今でも教科書に載っているかと思います。
藩閥政治専制政治に抗った庶民の運動勢力の様な印象を持った人が多い様ですが、あの運動を支えたのは地方地主達の金です。
既得権益を奪うべく動いたブルジョア達が起こしたフランス革命を、板垣退助は称賛していました。
フランスへ行って現実を知ってから、板垣はフランス革命の事を言わなくなったそうです。

田舎は田舎で経済を牛耳る人達が居て、農民から町民に至るまで経済が回されているのですから、地主達が支援する人が強くなります。
都会は、しがらみがない人、所謂浮遊層が多くなるので、演説だの何だので議員を選ぶ人が多くなりますが、地方は富裕層を中心にした回り方をしているので、百数十年も続けて来た基盤はそう簡単には崩れません。

しかし、農業・漁業をはじめとする、国民全体が生きて行く為の基礎が崩れて行く方へ向かったままの政策が続けられていて、地方での自民党優位はあぶなくなって来ました。
民主党に政権をとられた時でさえ、田舎の方ではそんなに負けていないはずでしたのに。
大して負けていないとはいっても、公明党創価学会の協力がないと勝てない選挙区が増えているため、見た目ほど自民党は強くないのではないかと思います。
それだけ支持する人が少なくなったと言えるかと。

ところがところが、野党の支持率はさっぱり上がって来ません。野党第一党の立憲は、議員数が随分と少ない維新の会より支持率が下になってしまうという現象が起きました。
維新が支持率を上げたのではなく、立憲がドンと落ちたのです。
維新の衆議院は10人ぐらいですが、立憲は50人ぐらいいますのに、これはいったいどうした事でしょう。

『しっかりした行動』を行わないから離れていく、と考えられます。
政党である以上、政権をとった上何をやって行くのかわからなければ、存在する意味があるんでしょうか。
自民党も大概ですが、野党(共産党とか社民党は論外にしても)も政権とった後どうして行くのか世間はまるで分からないのです。
政権批判も必要なのは解りますが、政党は単なるクレーム団体ではありませんから、世間の溜飲を下げる言動が主体では困るんです。
国民の不満やら何やらを煽る事で盛り上がったからといって、他人の役に立ちたいという人は増えません。
ブッ叩く的なやり方で盛り上がったって、豊かにならないと女性を支える人が増える可能性は低いです。
国と国民が豊かになる政策をぶつけて、与党に現実的な攻撃を仕掛けるのが主体になれば、国会中継を視る人も増えるでしょうし、動画の再生回数も随分と伸びるでしょうに。

人権だの弱者救済だの男女平等だの、それらは大切な事です。
が、それらを成して行くのに、防衛費削れだのインフラ整備は無駄がどうの、そんな事してたら大切な事も出来なくなってしまうから、「もういい加減にしてくれ」になるのです。
大切な事を成して行くのに、暮らしが不安定になって行く方を選ぶようには、人間は出来ていません。

今でも厳然と世界は国家単位で動いているのですから、1万年先か10万年先かわからないぐらいな遠い先に何とかなるかもしれない事を、今すぐガンガン出来る様な事ばかり言って、日本国をダメにするのは止めて下さい。