新兵衛の覚え書き

見た聞いた読んだ浮かんだ思い出した……を書き留めています。

『四大文明』を否定するのは、中国が嫌いだからではなかろうに

日本の教科書には、四大文明を強く印象付けるように記述されているそうです、いまだに。
どういう事かというと、地球上の現在に至る文明の発祥は四大文明だ、という書き方。
私が習った頃はそんな感じでした。四大文明が各地に広まって行って今に至る、と思い込んでいたものです。
世界には四つの高度な文明が出現しました。エジプト・メソポタミア・インダス・黄河の四つで、これを四大文明といいます……みたいな感じだった様に思います。遥か昔の記憶ではありますが、そんな感じだったと思います。
現在の教科書も変わっていないらしいです。

19世紀までは四大文明などという呼び方は無かったとの事で、エジプト・メソポタミア・インダスが研究の主役だったところ、中国人(19世紀なので中国は存在しませんからシナ人)が黄河を加えて『四大文明』と盛んに発信したとかいう話もあります。
しかし、それまで学者達はエジプト・メソポタミア・インダスの事を学術的に研究して来たのであり、「我が地は偉大なり」的な意味合いを強く持った発信にはあまり関心を示さなかった様です。
黄河文明も、その後に繋がって行く文明である事は間違いありませんが、『四大文明』という表現は世界的にはあまり受け入れられなかった様です。
何故なら、四つの文明が花開いた頃には他にも花開いた文明が地球のアチコチにあったからです。
殊更『四大文明』と言うのは確かにおかしい。

当時の西洋の学者達は、東洋人に文明などというものなどあるものか、的に馬鹿にしていたからこそシナ人は「四大文明!」と叫んだのかもしれません。
実際、独自の文明であるし他の3つにひけはとらないと思いますが、「シナの地に文明が出現したのは認めるが、四大文明って何なの?他の文明はこの四つの影響で成立した衛星文明しか無いワケじゃないんだし、他より偉大なんだみたいな言い方するなら、四大文明って呼び方を潰してやる」みたいになったのかな、と想像してみました。
実際、『四大文明』が否定されて100年は経っているそうです。

大きな帝国を築いたりなんだりするところまで行った文明が四つある、というのはその通りですから、アメリカの幾つかの学校では「大きな発展をした四つの文明」的な教科書を使ってるところもあるとか。
しかし、『四大文明』と記述した教科書を使ってるのは日本ぐらいではないか、との事。
それは何故なのか。
日本の教科書は、日本に自信が持てなくなるような記述がどんどん増えていると聞きますし、ひどいものは日清戦争時に清国民間人を串刺しにする日本兵の風刺画(戦争時に描かれたものではない?)を載せて、さも日本人は悪だみたいな作りの教科書もあるそうですから、そういう事も含めて考えるに、日本を貶める教育をする為に殊更中国を持ち上げているのではないかと。
それだもの、否定する時には言葉も荒くなるでしょう。荒いので、『四大文明』を否定する人達は中国が嫌いだから否定してる、と思われてしまうのでしょう。

中国が嫌いだから『四大文明』を否定しているのではなく、嫌いだろうがなかろうが「いまだに間違いを日本や日本人を叩く為に使うとは何事だ!」であり、「政治利用の為に中国持ち上げの嘘を教え続けるとはけしからん!」なのでしょう。
ましてや中国は、盛んに歴史を偽って日本に攻撃を仕掛けて来ているのですから、反撃が荒くなるのは仕方がないと思います。
それに対して、「中国が嫌いなので『四大文明』を否定しているだけで、論になっていない愚か者ども」みたいに一方的に言う人が居ますが、それは違うでしょう。
中国を嫌いな人が、中国を罵倒する為にネタ探しをして見つけた『四大文明』を攻撃しているのではなく、たまたま知って「あ、なんだこれ、反日日本人と組んで工作してんじゃねえのか?この野郎!」となったものと考えます。

何れにしても、いまだに『四大文明』ってなんなんでしょうね。
『四大河文明』と話を逸らして『四大文明』を否定する人達を嘲笑う人も居ますが、黄河文明自体を否定しているワケでもないのに、どうしてこういう事を言って本質を見えなくしてしまうのでしょう。