新兵衛の覚え書き

見た聞いた読んだ浮かんだ思い出した……を書き留めています。

皇位継承と男女平等は別。女系になれば伝統ではなくなる

皇位が、女系で受け継がれて来たなら女系を続けなきゃね。
男系で受け継がれて来たなら男系を続けなきゃね。

皇位は、必要があって続けられた事によって伝統になったのであり、その伝統の内容は男系。
男性であれば誰でも良いわけではなく、父→祖父→曾祖父→高祖父……と父親を先祖に辿って行けば初代神武天皇に辿り着かなくてはなりません。
女性天皇であっても男系でなくてはなりませんが、原則は男系の男子。
男系の男子が皇位に就くすべが無くなれば伝統は途切れますから、天皇並びに皇室の存在自体が要らなくなってしまいます。
天皇位自体が存在すれば良いというわけではありません。

人というのは不思議なもので、或る決まりの下に続いて来た対象を敬う傾向があります。
外からの驚異に曝されていた幕末から明治。武士階級はおろか、国民皆が精神的に纏る必要がありました。
当時奥羽列藩同盟があったとはいえ、薩長他連合に従わなかっただけであり、政治行政権の争いと天皇並びに皇室の存在は別物でした。
錦の御旗を掲げられたからといって、天皇を打ち倒すなんて考えは無かったのです。
政治権力とは別な存在で、存在している事自体に意味があったのです。
精神的存在になっていたわけです。

国がひとつに纏まとまらなければ、外来勢力をはね返す一歩は踏み出せないと判断し、何の下ならひとつに纏まれるのか、となります。
幸いにも、日本には権力から超越していた精神的対象が存在しました。
天皇並びに皇室です。
或る一定の決まりで繋がって来た、天皇並びに皇室という存在がありました。
この存在、ある時は藤原氏の系統となり、またある時は足利氏の系統となり……なんて具合に、天皇位自体は続いていたけれど、権力を握った者なりがかわるがわる天皇位に就いていたらどうなっていたか。
精神的に纏る事のできる対象になれなかったのではなかろうか。

権威というのは、結構不思議なものです。
東京大学の教授というだけで、庶民は権威を感じたりしますが、何処かの3流大学の教授だったらどうでしょう。
教授というからには、その分野では知識があるのだろうけれど、だからなんだ……みたいになりませんかね。
東京大学といえば、ずっと日本の大学の1番を張って来た大学ですから、そこの教授となれば、頼りにされるというか纏るというか、そういう傾向はいまだにあります(最近はだいぶ落ちて来た様ですが)。
天皇という存在もずっと続いてきました。時の権力者を認める存在として続いて来ました。
認められようが認められまいが、権力を握った者勝ちとは行かなかったのです。
握った者勝ちだったなら、天皇並びに皇室はとうの昔に亡くなっていたでしょう。
我も我もで、シナ大陸と同じ様な歴史を歩んだかもしれません。
天皇に権力者と認められれば、必要以上に戦をする必要もありませんし、その都度敵対勢力の一族を皆殺しにする必要もありません。
争いに敗れた方も、必要以上に処刑される可能性は低くなります。
最初の方でも述べましたが、人というのは続いて来たものを敬う傾向があります。
続いて来ただけではなく、或る一定のルールの下に続いて来たとなると尚更です。
そのルールが男系です。
初代天皇が女性で、女系で続いて来ていたとしても続いて来た事には変わりありませんから、これが担保になります。

男尊女卑だの今の時代がどうのとは、最早別次元(次元の上下ではなく)の存在なんです。

女性宮家を創設するなら、旧皇族の復活を!