新兵衛の覚え書き

見た聞いた読んだ浮かんだ思い出した……を書き留めています。

汚らわしいので食べたらダメな豚

豚を食べるのを宗教で禁止しているのはイスラム教だけではなく、ユダヤ教もです。

彼らは、豚が汚らわしくて食べると危ないから食べない、と思っているわけではありませんので、現代の技術をもってすれば危なくないから禁止しなくても良いのでは、という話にはまるで反応しません。
なぜなら、「啓典にダメと書いてあるから食べない」であって、危なくなければ食べるという考えは無いからです。

異教徒に対し、イスラムに改宗しないし服従しない者は殺せとなっていますが、仲良くなれば改宗を勧めて来るムスリムはそれなりに居るでしょうが、服従させるとか殺すとかの行動に出るムスリムは極少数です(日本においては改宗しないから殺された、なんて話は聞きません)。
なので、例えば日本人が豚肉を食べてる側で「ああ、これは危なくないから自分も食べる……」となるかと思えば、これがならない。
殺したりする事は相手に対する行動であるのに、豚とかを食べないのはあくまでも自分に向けた行動なので行い易いのかと思います。

豚を食べてはいけないというのは、旧約聖書レビ記(だったかなあ)に出て来ます。
コーランにも豚はダメと出て来ますが、何故豚が汚れているのかの理由は出ていないとか。
神がそう言ったからダメなのであり、信仰者に理由は要りません。
鳥にもダメなものがありますし、海の生物で鱗が無いものはダメなんてのもあるそうです。
蹄が2つに割れているものは食べて良いけれど、食べた物を反芻しない動物はダメなんだそうです。
2つに割れた蹄+反芻する……でなければダメで、豚は反芻しないからダメ。

何万年も前から、2つに割れた蹄と反芻という特徴から何かを読み取る経験が積まれて来ていたので、そういう「啓示」になったんでしょうか。
不明のようですが、兎にも角にも神が言ったんだからダメなものはダメでしかなく、理由は必要無いという事です。

因みに、ムハンマドは直接神から言葉を預かったのではない、という事が日本の一般人に知られる様になってきたのは最近です。神の言葉を、直接ムハンマドに伝えたのは天使ガブリエルだそうです。
ナザレのイエスは、新しい宗教を起こしたわけではなくユダヤ教の改革を目指しただけなのも、日本の一般人に知られる様になって来たのはつい最近です。

インターネットの情報は玉石混交ではあっても、インターネットの時代になるまで生きて来られたのは幸せだと、最近とみに感じているのでありました。