新兵衛の覚え書き

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ウクライナ、988年にEU加盟?

ウクライナ政府が出した動画がツイッターに上がっていた。

大まかに纏められた説明文が載っていた。

ウクライナの言葉は全然解らないし、説明文の自動翻訳でも何となく解る程度。

この動画を紹介していたのは、関西に住む在日ロシア人。

ロシア人いわく、「嘘言うな」

 

このロシア人は、プーチン推しではない。ロシアのウクライナ侵略に、攻めたらアカンやろうという考えの人。そんな人でも「ウクライナは988年にEUに加盟」ってなんだそれと言えば、ロシア擁護と思われかねないから、ロシアを擁護するわけではないがと前置きをしなければならないのが現状のようだが、自動翻訳でも「988年EU加盟」となってるから、流石にロシアを擁護するなというリプは飛んで来ないだろう。

まあ、「黙っとけ!」と言う奴は居るだろうけれど。

 

ウクライナが、西暦988年にEUに加盟したというのはどういう意味なのか。何を言いたかったのか。

988年は、キーウ大公国がキリスト教を国教にした年とされている。

988年にキリスト教国の仲間入りをしたのと同じ様に、ウクライナEUの仲間入りをするのだ、ずっとヨーロッパの友人であったのだし、みたいな事を言いたいのだろうか。

歴史を持ち出してこれから先の事を言うのは良いのだけれど、間違った歴史で人々に記憶されるのは我慢できない、という人も出て来るだろう。

ヨーロッパのキリスト教圏の人なら、988年当時のキリスト教が西と東に分かれていた事ぐらいは周知だろうが、それ以外の世界中の非キリスト教の人は、ヨーロッパはキリスト教によって1つにまとまっていた時代があった、と思ってしまうかもしれない。そこにウクライナが仲間入りしたと思ってしまうかもしれない。

だから、現代においてはウクライナEUに加盟するのは当然だ、と思うかもしれない。

世界中がそう思ってくれれば、ウクライナとしては今後がやりやすくなる。

でもねえ、ロシアに頭を押さえられるのは嫌だろうけれど、EUに頭を押さえられるのも考えものなのだ。

 

自動翻訳だから、本当のところは分からないけれど、何故こんな動画を流したのだろう。

 

因みに、988年に改宗したキリスト教は、西ローマ帝国の流れをくむローマカトリックではなく、東ローマ帝国東方正教。それまで土着の多神教だったのを、東ローマ帝国イスラムから改宗しろと誘われていたのだが、東方正教を選んで改宗した。だから、神聖ローマ帝国の仲間ではないわけ。

で、何故東方正教を選んだのか。東ローマ帝国イスラムの力が西ヨーロッパより強かったから、ローマカトリックにはならなかったのだと思う。

イスラムにならなかったのは、イスラム教は飲酒禁止だからだそうな。

988年当時のキーウ大公国の領主は大の酒好きで、酒が禁止のイスラム教なんか嫌だ、となったとかなんとか。

ウラジーミル1世という人ですが、もしこの人が酒を飲まない人だったら、妻4人までOKのイスラム教を選んだかもしれない。

そうなっていたら、現在の東ヨーロッパやロシアは、イスラム圏になってたかも。

ウォッカは存在してなかったろうし、秋田犬がプーチンの下に行く事もなかったろうね。